シヴィリアン・コントロール [本]
世の中を騒がせている田母神前空幕長の問題で、「文民統制」の話が出てくるが、最近
読んだ西部邁著「核武装論」(講談社現代新書)にシヴィリアン・コントロール(文民制御)
のことが書かれていた。
そもそもこの著書を手に取ったのは、その過激ともいえるタイトルに心惹かれるものがあっ
たたからなのだが、日本が核武装に踏み出すというのは、「唯一の被爆国」であるという国
民感情からするとかなりのタブーとなるのだろう。確かに核について論ずることを避けている
ようなところがあるし、それ以前に軍備のことについて議論することも憚られるような雰囲気
にあるわが国なので、西部氏の議論をしようよという姿勢はそれほど違和感はなかった。
タイトルを見ただけでは、どんなタカ派の人物が書いているのかという思いで、おそるおそ
る読み始めたのだが、ご本人は「ガンディ主義」を標榜されており、氏の主張する内容全て
が理解できたわけではないのだが、言っていることのところどころはなるほどと納得できる
モノだった。
それはさておき、「シヴィリアン・コントロール」であるが、「防衛大臣には相当の軍事的情
報と軍事的経験とが要求される」とし、「もっとも妥当なのは、『長期間にわたって軍人であ
った者』(もしくはそれに相当する軍事的能力を持つと評価される者)がその地位に就く、た
だし就任時および就任後には、その人物の軍隊にかんするヴェステド・インタレスト(既得権
益)を断つために、『軍籍から離脱させる』という意味で文民になる、というやり方でしょう。」
と述べる。
すなわち、政治、経済、文化についてほとんど知らない軍事オタクのような人では相応しく
ないし、軍事の知識・経験をまったく持たない「文民」に戦争や平和の指導をされたのでは
悲劇的な事態に直面させられかねないという主張は、至極まともに思える。
さて、翻って、件の前空幕長さんは、明らかにその素養に欠けていたと言わざるを得ない
のではないだろうか。
読んだ西部邁著「核武装論」(講談社現代新書)にシヴィリアン・コントロール(文民制御)
のことが書かれていた。
核武装論――当たり前の話をしようではないか (講談社現代新書 1884)
- 作者: 西部 邁
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/16
- メディア: 新書
そもそもこの著書を手に取ったのは、その過激ともいえるタイトルに心惹かれるものがあっ
たたからなのだが、日本が核武装に踏み出すというのは、「唯一の被爆国」であるという国
民感情からするとかなりのタブーとなるのだろう。確かに核について論ずることを避けている
ようなところがあるし、それ以前に軍備のことについて議論することも憚られるような雰囲気
にあるわが国なので、西部氏の議論をしようよという姿勢はそれほど違和感はなかった。
タイトルを見ただけでは、どんなタカ派の人物が書いているのかという思いで、おそるおそ
る読み始めたのだが、ご本人は「ガンディ主義」を標榜されており、氏の主張する内容全て
が理解できたわけではないのだが、言っていることのところどころはなるほどと納得できる
モノだった。
それはさておき、「シヴィリアン・コントロール」であるが、「防衛大臣には相当の軍事的情
報と軍事的経験とが要求される」とし、「もっとも妥当なのは、『長期間にわたって軍人であ
った者』(もしくはそれに相当する軍事的能力を持つと評価される者)がその地位に就く、た
だし就任時および就任後には、その人物の軍隊にかんするヴェステド・インタレスト(既得権
益)を断つために、『軍籍から離脱させる』という意味で文民になる、というやり方でしょう。」
と述べる。
すなわち、政治、経済、文化についてほとんど知らない軍事オタクのような人では相応しく
ないし、軍事の知識・経験をまったく持たない「文民」に戦争や平和の指導をされたのでは
悲劇的な事態に直面させられかねないという主張は、至極まともに思える。
さて、翻って、件の前空幕長さんは、明らかにその素養に欠けていたと言わざるを得ない
のではないだろうか。
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